男性不妊

精索静脈瘤について

精索静脈瘤について

陰嚢内には精巣、そこから連なる精索という束状の組織があります。精索内には精子の通り道である精管、精巣へ出入りする血管(精索動脈、静脈)、リンパ管などが含まれます。精索静脈が太く怒脹し曲がりくねった状態になったものを精索静脈瘤と呼び、身体の構造的な理由からほとんどの場合左側にできます。
精索静脈瘤は決して珍しいものではなく男性の10-20%に認めますが、通常は本人の健康や精子の状態には影響を与えません。しかし原発性(一度も自然妊娠に至ったことがない)男性不妊症の患者さんでは35-50%、続発性(過去に自然妊娠に至ったことがある)男性不妊症では75-81%と高率に認められることから、精索静脈瘤と男性不妊症との関係が注目され、古くから治療対象とされてきました。

精索静脈瘤について

精索静脈瘤は精巣内で精子が造られる段階に影響し男性不妊を引き起こすとされていますが、そのメカニズムについては未だに結論が出ていません。原因として有力なのは、精巣内の血流変化,陰嚢内の温度上昇,酸化ストレス,陰嚢内の性ホルモン濃度の変化,副腎ホルモンの逆流,自己免疫などです。

精索静脈瘤は外科的な方法により治療します。主な方法には、高位結紮術,腹腔鏡下高位結紮術,顕微鏡下低位結紮術,カテーテルによる血管閉塞があります。それぞれの方法の有効率、再発率、合併症や侵襲度(体への負担)を考慮して、当科では片側の精索静脈瘤の治療としては主に顕微鏡下低位結紮術、両側の治療には腹腔鏡下高位結紮術を行っています。それぞれの治療の詳細については担当医にお尋ね下さい。

精索静脈瘤手術の効果については、信頼のおける大規模なデータが少ないことから、いまだに確定的とは言えません。しかし最近の臨床研究から、静脈瘤の治療が精液検査の改善や自然妊娠率の向上をもたらすことが徐々に示されるようになって来ています。それらによると、精索静脈瘤手術による精液所見の改善率は約5—7割前後、女性パートナーに問題がない場合の術後妊娠率(自然や人工授精、体外受精、顕微授精を含めて)は25-50%前後と報告されています。ART(体外受精や顕微受精)の成績に対する効果も期待されていますが、まだはっきりとしたデータはありません。

不妊治療について

一般財団法人筑波麓仁会 筑波学園病院

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