感冒をはじめとする一般的な内科的疾患を扱うことが多い診療科です。
また、当院はつくば・県西地域における周産期救急医療協力病院に指定されており、一般の産科医療機関より少しリスクの高い出産が多いのですが、当院で出生した新生児の診察、帝王切開の立会いは全例小児科医が行うことで、出産されるお母様にも安心して頂けるよう努めております。

ヘルニアの外科治療ほか、急性腹症の診療（消化管穿孔、絞扼性イレウス等）、良性疾患では胆石症、総胆管結石症、腸閉塞、肛門疾患（痔核、肛門周囲膿瘍、痔瘻など）、消化器系悪性疾患の外科治療（胃癌、大腸癌、肝臓癌、膵臓癌、直腸癌、胆嚢癌）に力を入れています。

当院整形外科では、ほぼすべての整形外科疾患を網羅し年間手術数も約900例です。中でも高齢の方の大腿骨頚部骨折で手術をするケースが多くなっています。また、脊椎内視鏡手術設備が導入され低侵襲な脊椎内視鏡手術の適応が増加、スポーツ整形外科も活況で前十字靱帯再建手術や肩関節手術も増加しています。

当院形成外科は、 地域では数少ない形成外科常勤の病院として、紹介患者を積極的に受け入れるとともに、他診療科や他病院との連携を緊密に行い、よりよい診療ができるように常に心がけています。体表の皮膚外科や、再建、創傷一般、鼻骨骨折による整復固定、小児先天異常など、診療内容は多岐に及びます。

近年耳鼻咽喉科勤務医不足が問われている中で当院は常勤医3名、非常勤医1名という複数の耳鼻咽喉科医が在籍する貴重な病院です。従って県南地区の数少ない耳鼻咽喉科救急医療の中心としての役割を担っています。また多方面から手術を必要とする症例のご紹介を多く頂いています。主な入院は手術症例。手術以外の主な入院は扁桃炎・扁桃周囲膿瘍、ベル麻痺、めまい、突発性難聴、急性喉頭蓋炎となっています。

外科的治療目的の入院としては、精索静脈瘤根治術目的の入院が大幅に増え、膀胱癌や腎臓癌、結石などに対する手術も従来通り数多くありました。手術以外の入院目的としては、腎盂尿管癌、膀胱癌に対する化学療法、尿路感染症の治療が多くなっています。また血尿・外傷・精索捻転などに対する緊急入院や、泌尿器科がない施設からの転院などにも対応しています。

当科は『産科、婦人科、生殖・内分泌（不妊治療）、女性のヘルスケア』の4部門に大きく分けられます。一般診療はもちろん、腹腔鏡下手術を含めて多くの手術を扱っています。症状としては、月経痛、月経量の異常、下腹部痛、不正出血、子宮下垂感などです。具体的には、子宮筋腫、卵巣のう腫、子宮内膜症、骨盤臓器脱などが挙げられます。

高齢化が進み、呼吸器疾患を合併する患者は年々増加傾向にあります。特に脳血管障害の後遺症としての誤嚥性肺炎の患者さんが増加しており、入院件数が多くなっています。慢性呼吸不全の急性増悪に対しては、急性期の治療後に、在宅酸素療法や在宅人工呼吸療法を導入し、退院調整を行っています。気管支喘息、COPDに対しては、ガイドラインに沿った治療を行っています。肺がん患者に対しては、臨床病期によって化学療法を施行し、外来化学療法にも対応しています。特発性間質性肺炎の他、関節リウマチや膠原病、血管炎症候群などに伴う間質性肺炎の診療を行っています。

急性期疾患として、カテーテル手術のできない急性心筋梗塞患者、急性心不全患者の入院治療、慢性心不全患者の心不全増悪、肺炎などの感染症合併患者の入院治療を行っています。また冠動脈造影検査の為の一泊入院検査を行っています。一方、洞不全患者等に対する緊急体外式ペースメーカー挿入、ペースメーカー植込み術も年間数件行っています。

慢性腎臓病（CKD）関連が最も多く、以降は感染症、バスキュラーアクセストラブル、慢性及び急性糸球体腎炎、心不全、体液・電解質異常、AKI、ネフローゼ症候群、糖尿病加療、等と多岐の病態に渡っています。またCKDのみならず、腎生検を必要とするような各種腎炎や急性腎不全など多種に渡り診療を行っており、近隣からの紹介も随時受け入れております。

消化管（食道・胃・小腸・大腸・肛門）、肝臓、胆道（胆嚢・胆管）、膵臓という幅広い臓器の疾患を対象にしています。
当院は筑波研究学園都市市内にある救急病院の一つとして、胆管炎、急性膵炎、緊急の吐下血を積極的に受け入れております。また、上下部内視鏡による検査・治療としては、経鼻内視鏡を含めた一般的な検査に加え、胃瘻造設、胆道ドレナージ、ステント挿入、ポリープや早期胃癌・大腸癌切除術を網羅しています。

当科では、乳腺、甲状腺、副甲状腺、副腎およびリンパ節の各疾患についての診療を行っています。入院診療では主に手術患者及び化学療法患者に対する診療を行っています。化学療法は特に第1クールの患者及び副作用により通院での化学療法が困難な患者さんを対象としています。

当院外科では急性腹症、消化器良性疾患、消化器悪性腫瘍に対して消化器の手術を主に行っております。
また、腹腔鏡胆嚢摘出術の他に胃癌、大腸癌に関しても病期により腹腔鏡下手術を導入しています。

当科の特徴として、高齢、かつ、全身疾患を合併した方の手術が多くなっており、安全を確保するためにも、白内障手術や外眼手術を入院で行なうケースが目立ちます。手術は白内障手術が中心で、通常は水晶体超音波乳化吸引術で行っています。小さい切開創からの手術であり日帰りにも対応できる方法ですが、手術後の安全性を第一に考え基本的に短期入院で行っています。

【内視鏡下鼻・副鼻腔手術（2型・3型・4型）】
当院は茨城県の中でも、いち早く鼻・副鼻腔の内視鏡手術を導入しております。近隣の診療所で薬物治療を受けられても効果が不十分な鼻づまり・鼻汁の症状をお持ちの副鼻腔炎（蓄膿症）患者さんを数多く当院にご紹介頂き、手術を受けて頂いており良好な結果を得ております。内視鏡手術は術後の痛みがほとんどなく、術後3日目に退院できます。当院では全身麻酔で手術を行っているため日帰り手術は行っておりません。その方が手術中の患者さんの苦痛が全くなく、また、より丁寧できれいな手術ができるため術後の経過が格段に良くなります。
【口蓋扁桃手術（摘出）】
扁桃炎を繰り返し（目安として年に3、4回以上）、社会生活に支障がある患者さんは積極的に扁桃を摘出する手術を行っております。全身麻酔で1時間程度の手術で、術後7日間の入院が必要です。
【喉頭・声帯ポリープ切除術（直接喉頭鏡又はファイバースコープによるもの）】
声が嗄れる症状で受診された際に声帯にポリープや結節が見つかることがあります。特に喫煙習慣のある方、教師や保育士の仕事で声の酷使をする方、飲酒の習慣がある方に多く見られます。全身麻酔での短時間の手術ですが、術後は手術のキズの安静のために1週間の沈黙療法が必要になります。

【膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（電解質溶液利用のもの）】
膀胱悪性腫瘍（膀胱癌）は、尿道から内視鏡を用いて、電気メスで削り取るように切除します。膀胱壁は、表層の粘膜と、深層の筋層でできていますが、癌がどの層まであるかで、治癒もしくはさらに治療が必要かを判断するためにも行います。
【精索静脈瘤手術】
精索静脈瘤があると、精液所見が悪くなり、男性不妊症の原因となることがあります。股の付け根（鼡径部）あたりから、静脈瘤の原因となる静脈が精索という精管や精巣に出入流する血管とともに一束になっており、その位置で静脈を結紮切除し、静脈血の逆流によって生じる静脈瘤を解消します。
【腹腔鏡下内精巣静脈結紮術】
精索静脈瘤手術で、腹腔鏡を用いて内精巣静脈を結紮切断し、静脈の逆流によって生じる静脈瘤を解消します。精索静脈瘤は左側のみの場合が多いですが、両側にある方に対して当院ではこの方法を行っています。
【経尿道的尿管ステント留置術】
尿管（腎臓で作られた尿が通る管）が結石や狭窄、腫瘍等で詰まった状態で、痛み・感染・腎機能障害がある場合、膀胱内視鏡を尿道から挿入して、尿管の出口から腎臓に達するまでステントと呼ばれる細いチューブを入れる処置です。入れることで詰まった状態を解消することができます。
【経尿道的尿路結石除去術（その他のもの）】
尿路結石とは、腎臓で作られ、尿管や膀胱にとどまって尿の流れを悪くし、痛みを生じたり、尿路感染の原因になることがあります。1ｃｍを超える結石は、自然排出が難しいので、尿道から膀胱～尿管口を通じて、尿管、腎臓まで内視鏡を挿入し、結石を砕いて排出する手術です。

【流産手術】
流産手術の場合、経腟的に子宮内容物を除去する手術になります。
【子宮全摘術】
子宮筋腫などの子宮の疾患に対して子宮を取る手術になります。
【子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術，子宮内膜ポリープ切除術】
子宮の内腟に向かってできた子宮筋腫に対して、経腟的に子宮鏡で子宮の中を見ながら子宮筋腫を取る手術になります。
【子宮附属器腫瘍摘出術（両側）（腹腔鏡、開腹）】
卵巣のう腫などの卵巣の疾患に対して、卵巣や卵管を取る手術になります。

【内シャント設置術】
血液透析を行うための手術です。自己血管の動脈と静脈をつなぐことによりシャント血管として透析に使用することができます。
【血管移植術（その他の動脈）】
血液透析を行う際に自己血管が荒廃している場合には人工血管を使用して内シャントを作成します。両腕の前腕または上腕で動脈と静脈の間を人工血管でバイパスします。
【血管結紮術（その他のもの）】
上記作成した内シャントや人工血管を使用した内シャントに感染や血管瘤などの合併症を併発した場合に、人工血管の摘出やシャントの閉塞が必要になります。その際に行う手術です。

当院乳腺内分泌外科では、乳腺、甲状腺、副甲状腺、副腎およびリンパ節の各疾患についての診療を行っています。実施している主な手術は以下のとおりです。
乳腺疾患については胸筋温存乳房切除術（大胸筋および小胸筋を温存し、腋窩リンパ節郭清を行う手術）および乳房温存術（乳房部分切除およびセンチネルリンパ節生検もしくは腋窩リン節郭清を行う手術）があり、甲状腺疾患については甲状腺片葉切除、甲状腺亜全摘および甲状腺全摘術があり、必要に応じて頚部リンパ節郭清を行います。また、副甲状腺疾患については、原発性副甲状腺機能亢進症では副甲状腺切除を、腎不全での続発性副甲状腺機能亢進症では副甲状腺全摘および自家移植を行っております。